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第1展示室: パーセプトロンの誕生と冬

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1943年、脳の神経細胞を数式で表す試みから始まり、1958年に「学習する機械」が 生まれ、1969年に一度その夢が破れ、1986年に新しい道具でよみがえるまで。 同じ「2つのグループに点を分ける」という問題に、道具がどう進化していったかを 実際に手を動かして確かめる展示室です。

1958年

A幕: パーセプトロンの誕生

下のキャンバスをクリック(タップ)して点を置いてください。○/●の切り替えボタンで クラスを選べます。点を置き終えたら「学習開始」を押すと、1本の直線 (たった1つの人工ニューロン)が、間違えるたびに少しずつ向きを変えながら 2つのグループを分けようとします。

w1=0.00 w2=0.00 b=0.00
試行回数: 0
✓ 分類完了! 1958年、世界はこれに熱狂しました。
もっと詳しく: パーセプトロンの仕組み

入力(x, y)それぞれに重み(w1, w2)を掛けて足し合わせ、さらにバイアスbを足した値 z = w1·x + w2·y + b が0以上なら「クラス1」、そうでなければ「クラス0」と 判定します。間違えるたびに w ← w + 学習率 × 誤差 × 入力 という式で 重みを少しだけ直す——これがFrank Rosenblattの考案したパーセプトロン学習則です。

1969年

B幕: XORの壁

今度は「XOR配置」——対角にあるものが同じクラスになる4つの点——を試してみます。 同じパーセプトロンで学習を回してみてください。何度回しても、直線1本では この4点を正しく分けられません。

試行回数: 0
まだ試していません
もっと詳しく: 線形分離可能性とAIの冬

1本の直線で2グループを完全に分けられる配置を「線形分離可能」と呼びます。 XORの4点はどう直線を引いても必ずどちらかのクラスの点を誤分類してしまう—— 線形分離不可能な配置の代表例です。1969年、Marvin MinskyとSeymour Papertは 著書「Perceptrons」でこの限界を数学的に指摘しました。この指摘をきっかけに ニューラルネットワーク研究への資金と関心が急速に失われ、「AIの冬」と 呼ばれる長い停滞期が始まりました。

1986年

C幕: 多層と誤差逆伝播

直線1本では無理でも、ニューロンをもう1層重ねたらどうでしょうか。 「隠れ層」を持つネットワークに切り替えて、同じXORに挑戦します。 背景の色が、ネットワークが今どう領域を塗り分けているか(決定境界)を表します。

損失: - ステップ: 0
✓ 層を重ねる(=深層)ことでXORが解けました。
もっと詳しく: 誤差逆伝播とは

1986年、David Rumelhart・Geoffrey Hinton・Ronald Williamsが発表した論文により、 多層のネットワークを効率よく学習させる方法「誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)」が 広く知られるようになりました。出力層で生じた誤差を、1つ手前の層、さらにもう1つ 手前の層……と連鎖律(微分の chain rule)を使って"後ろ向き"に伝えながら、 各重みをどちらにどれだけ動かせば誤差が減るかを計算します。 「隠れ層を重ねる」という発想が「深層学習(ディープラーニング)」という 言葉の語源です。