About
この展示について
毎日1本、権利が自由になった映像を上映しています。 ただ古い映画を並べるのではなく、「この映像は誰のもので、あなたは何をしていいのか」と 「10分の映像がなぜこの大きさに収まるのか」を、作品と一緒に展示しています。
権利が自由な映像を選ぶときに見ていること
「フリー」と書かれた映像素材の多くは、使うのが無料なだけで、再配布は許されていません。 このサービスは映像を自前で配る——つまり再配布そのもの——なので、 判定の基準は「商用利用できるか」ではありません。次の3つを全部満たしたものだけを扱います。
| 1 | 発行元自身が、その映像ファイルの再配布を明示的に許諾しているか |
|---|---|
| 2 | 日本の法の下でも保護期間が満了していると言えるか このサーバは日本にあります。米国でパブリックドメインでも、日本ではまだ保護されている映画があります。 |
| 3 | 著作権以外の権利(肖像権・埋め込み素材・商標)に手当てがあるか |
著作権が切れても、自由になるとは限りません
映っている方の肖像権やプライバシー権は、著作権とは別に存在します。 保護期間が満了しても消えません。1950年代の教育映画に映っている子どもは、今も存命かもしれません。 映画の中で流れている音楽や、引用されている別の映像が、それぞれ別の権利を持っていることもあります。
そのため各作品のページには「このライセンスがカバーしないもの」を必ず並べています。 そこに書いてあるものについて、このサービスは判断していません。
公表年を、識別子から推測しないこと
保護期間の計算は公表年で決まるので、公表年の根拠は厳しく取っています。
発行元の権威メタデータにある厳密な日付だけを根拠にし、
ca. 1948 のような曖昧な表記や、ファイル名からの推測は使いません。
実際に測ったところ、識別子の末尾4桁は約1.5%の確率で実際の公表年と食い違い、
しかも危険な向きに外れていました。
たとえば HopeIsin1950 という識別子の作品の実際の公表年は
1960年代です。識別子を信じていれば、日本ではまだ保護期間内の作品を
「1950年の作品」として公開してしまうところでした。
なぜ1953年で切っているのか
日本では、映画の著作物の保護期間は公表後70年で、暦年の末日まで続きます。 単純に計算すれば2026年の時点で満了しているのは1955年公表までですが、 この展示は1953年公表までに絞っています。理由は2つあります。
| 1 | 1970年以前に公表された映画には、旧法の下での期間の数え方をめぐる議論があります。 1953年公表の作品までは日本の裁判例で決着しているので、 争いのない範囲だけを取ります。 |
|---|---|
| 2 | 戦時加算(連合国民が開戦時に持っていた権利に最大3,794日を加える制度)は 1942年以降に公表された作品には及びません。1941年以前の作品も、 加算しきってなお満了しています。どちらの経路でも安全側になります。 |
これは法的な判断ではなく、保守的な工学上の規則です。作品ページに計算過程を出していますが、 「この作品は日本でパブリックドメインです」とは申し上げていません。
圧縮の展示について
各作品のページにある解析は、外部のライブラリを使わずに書いた 2次元の離散コサイン変換(DCT)で、その作品自身のフレームを計算した結果です。 JPEG や MPEG が実際に行っている操作と同じものです。
フレームの種類(I/P/B)の集計だけは ffprobe から正解データを取っていますが、
見せている計算そのものは自前で書いています。
扱わないことにしたもの(調べた記録)
素材を探す方にとって実用的な知識だと思うので、調べて不採用にしたものも残しておきます。 いずれも優れたサービスであり、悪いのは規約ではなく、このサービスの形が 先方の想定の外にあるということです。
| 扱わないもの | 理由 |
|---|---|
| フリー動画素材サイト Pixabay など |
利用規約が、素材を単体で再配布することを明確に禁じています。 「無料で使える」ことと「再配布してよい」ことは別です。 リンクでご紹介するにとどめます。 |
| NHKクリエイティブ・ライブラリー | 2025年9月30日でサービスが終了しています。加えて利用ルールが 非営利限定で、「商用利用できる」と言えないため、この展示の看板と食い違います。 |
| Prelinger Archives のうち 権利放棄の宣言が無いもの |
権利元自身が「全部がパブリックドメインだと思われているが、そうでないものも多い」と 明言しています。宣言が付いているものだけを対象にしています。 |
| 投稿サイトの 自己申告ライセンス全般 |
ライセンスの表示が投稿者の自己申告で、真正性の保証がありません。 組織の公式アカウント由来のものに限り、人間が確認したうえで扱います。 |
| 動画共有サイトからの抽出 | 入手経路として認めていません。 |
| NC(非営利限定)・ND(改変禁止)の ライセンス |
NCが付くと「商用利用できる」と言えず、NDが付くと「改変できる」と言えません。 どちらも展示の看板と食い違うので、扱いません。 |
| 移植版のライセンス CC BY-SA 3.0 IGO など |
通常版とは条件が異なります。「CC BY-SA 3.0」と表示すると不正確になるため、 今のところ扱っていません。 |
掲載作品の権利について申し立てをする
掲載中の作品について権利を主張される場合は、 プライバシーポリシーに記載の窓口までご連絡ください。 作品のURLをお知らせいただければ、確認のうえ速やかに配信を停止します。
停止した作品は、配信元からも削除し、二度と取り込まれないよう記録します。 いつ・何を根拠に公開したかの記録(取得元・ライセンス・取得日時・ハッシュ)は、 説明責任のため保持します。
日本語について
作品の説明文は、発行元の記載を原文のまま引用しています。翻訳していません。 主力の素材は1930〜50年代の英語の映画なので読みにくいところがありますが、 権利と事実を看板にしている展示で、機械翻訳の揺れを本文に持ち込みたくないためです。 公表年・製作者・尺といった確かめられる事実は日本語で並べています。