CPU・メモリの中身は電源を切ると消えます。ストレージ(SSD)だけが、 電源を切っても残ります。このマシンの主記憶(DRAM)がリフレッシュを 必要とする話は④メモリの間で見た通りですが、 SSDのNANDフラッシュは電気を流し続けなくても記憶を保持します。
LITTLE DATABASEのWALの間で毎秒ティックが 書き込まれているtrader.dbは、実際にはここの数字として現れます。 下の値は`/sys/block/sda/stat`・`/sys/block/sdb/stat`から直接読んだ 本物のI/Oカウンタです。SSD側は常に動いていますが、HDD側は 層1ミラー(毎日3:30)・層2スナップショット(毎時5分)の実行中だけ動きます ——待っていれば、バックアップが走る瞬間をここで見られます。
SSD(システム)
接続中…
HDD(バックアップ)
接続中…
実SSD上の固定テストファイルへランダムな4KB読みを行います。 ページキャッシュを迂回する読み(O_DIRECT、本物のディスクへ届く)と、 通常の読み(ページキャッシュ越し)を比較します。 ③キャッシュの間で見たメモリの遅延と比べて、 ストレージがどれだけ「遠い」かを実感してください。
2026-08-04、このマシンにバックアップ専用のHDDが増設されました。 同じ「ストレージ」でも、中身はまったくの別物です。SSDは電気信号だけで 読み書きしますが、HDDは実際にプラッタ(円盤)が5400回転/分で回り、 磁気ヘッドが物理的に動いて読み書き位置を探します。
NANDフラッシュは書き込める回数に限りがあります。同じ場所ばかり 書き換えると、そこだけ先に寿命を迎えてしまいます。SSDのコントローラは 「一番書き込みが少ないブロック」へ実際のデータを書き分ける (ウェアレベリング)ことで、寿命を均等に使い切ります。ボタンを押して 違いを見てください。
このマシンのSSDは9.6年動き続けていますが、それでもいつかは壊れます。 RAID1(ミラーリング)なら2台のディスクが常に同じ内容を保ち続け、 片方が物理的に壊れてももう片方から即座に読み続けられます。実際 LITTLE DATABASEのRAIDの間でRAID 0/1/5の 仕組みをシミュレータで体験できます。
ただしRAID1には弱点があります。誤って消したファイルは、 次の瞬間には両方のディスクから消えます。複製は「壊れても 止まらない」ためのものであって、「過去に戻れる」ためのものでは ありません。
だからこのサーバは、増設したHDDをRAIDのペアにしませんでした。 代わりに選んだのは、独立した2つのバックアップ層です。 毎日3:30に`/home/admint`全体を丸ごと複製する層1と、 毎時5分に各サービスの実データをハードリンクで世代管理 しながら積み上げる層2——過去のある瞬間に戻れる「世代」を残す方式です。 加えて、資産価値の高いDB類はresticで日次 (日次7・週次4・月次6世代)、施設外のR2ストレージへも別途送られています。 このマシンは単一SSD+単一HDDの2台構成で、RAIDではありません ——それでも、複数の独立したコピーを時間方向に積み重ねることで、 「物理故障」と「誤操作」の両方に備えています。
①回路のゲートが②CPUの クロックで動き、③キャッシュと ④メモリがデータを供給し、 ⑤GPUが並列計算を担う——それら全てが、 ここで見た実SSD(システム)+実HDD(バックアップ)の2台に支えられています。 これが、いまこのページをあなたに送っている計算機の全体像です。